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身体にやさしいのに、なぜおいしい?魚の栄養素を含むおやつを展開するスナックメーカーに聞いた【おやつカンパニー】

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目次

ヘルシー&栄養素の摂取。そしておいしい!近年のおやつ事情とは

─ まず、近年のおやつ事情について教えてください。栄養素やヘルシー感覚が重要視されている気がするのですが、おやつ業界全体でも注目されているのでしょうか?

香川さん:そうですね。健康訴求のおやつに対する関心は、業界全体で非常に高まっています。小売店さまや問屋さまなどとも話す機会が多いですが、お客さまだけでなく流通業者も皆、関心を持たれていますね。

ただ、健康要素を取り入れた商品は、最近になって始まったわけではなく、実際には長年試みられてきた分野です。たとえば、減塩商品やカロリーオフ商品は20年以上も前から存在していますが、なかなか市場に定着しにくい傾向がありました。

── 定着しにくいのはどうしてでしょうか?

香川さん:おやつは嗜好品で、楽しむためのものであるため、お客さまも味の満足度を重視される傾向がみられます。そのため健康要素が入っている商品は、「味が薄い」「おいしくない」という印象が強いようで、「減塩とか、カロリーオフと言われるとおいしくなさそうに感じる」、「おやつを食べる時は気にせず好きなものを食べたいから、そういうものには手が伸びない」といった声が多く聞かれました。

── 確かに嗜好品は味が重要ですね。その中で、健康志向のおやつを普及していくのは難しそうです。

香川さん:同じ嗜好品でも、ビールやお茶など、習慣的に飲まれるような商品ですと比較的市場に定着するのが早かったように思います。しかし、たくさんのお客さまの声を聞けば聞くほど、より嗜好性の高いお菓子は、「〇〇オフ」や「〇〇レス」といった商品が幅広い層のお客さまに受け入れられるまでには、更に時間がかかると考えました。そこで私たちは初心に立ち返り、改めて「おやつ」のあるべき姿や、お客さまが「おやつ」に求められていることは何かを検討した結果、「オフ・レス」といった、何かをマイナスすることで健康を訴求するのではなく、健康要素を「プラス・オン」した上で、おいしさや満足感を訴求する方向に進化させていく必要があると考えました。その考えのベースになったのは、「たっぷり、楽しい、『おやつ』と『夢』の創造」という、弊社の企業理念です。

── そういった点を踏まえて、御社ではどのような商品を開発されているのですか?

香川さん:弊社では「素材市場」という商品をはじめ、「BODY STAR プロテインスナック」や「おやつサプリ」といった商品を展開しています。健康志向を意識しつつも、味や食感にこだわりを持つことで、お客さまの満足度を高めることを目指しています。

とくに「素材市場」は、何かを“オフ”にするのではなく、魚の栄養素を“プラス”しています。魚介の栄養素を手軽に取れるのが特徴です。

── 魚の栄養素をおやつに取り入れるのは面白いですね。どういった背景から生まれたのでしょうか?

香川さん:弊社はもともと「ベビースターラーメン」を長年製造してきた会社で、小麦を使った独自の商品を作る技術を持っています。小麦ベースの生地に別の素材を練り込んで新しいものを作るのは意外と難しいのですが、弊社の研究開発部門では、以前からあらゆる素材を練り混み、新たな価値を付加した商品ができないか模索してきました。これまでにない驚きの素材、人びとが求めている栄養素、そして素材の風味を活かした美味しさを実現できるものは何かという視点で試作を繰り返し、多くの候補の中から残ったもの、それが魚でした。

── そこで注目されたのが魚だったんですね。

味付けや製法へのこだわり!魚の栄養素を含んだおやつの誕生

香川さん:魚は健康にいいとわかっていても、骨などの生ゴミの処理が大変だったり、調理方法がよく分からない、お値段も高い上に子どももお肉の方を好むなど、さまざまな理由から魚を食べる機会が減っているという方が多くいらっしゃいます。

子どもに魚を食べさせたいという親御さんや、健康のためにもっと魚を摂りたいと思っているシニアの方々に対して、魚の栄養素を練り混んだスナックを提案していくのはおもしろいんじゃないかと、商品化に踏みきりました。

── 魚の栄養素をおいしく手軽に摂取できるのは嬉しいですね。具体的にはどのような魚を使用しているのですか?

香川さん:発売当初はイワシとサバの2種類でした。青魚は栄養価が高く健康にいいと認知されているため、この2種類を選びました。現在では、エビも定番に加え、期間限定では季節感のある魚も取り入れています。たとえば、年末年始には鯛を使用した商品や、夏にはアジ、冬にはサーモンなど、季節ごとに旬の魚を使った商品を提供しています。

── 季節感のあるおやつは、楽しみがあっていいですね。ラインナップもおいしそうです。

香川さん:おやつである以上、おいしさは最重要です。魚には独特の匂いがあるので、それをうまく活かしたり、逆に味付けでマスキングしたりして、おいしく仕上げる工夫をしています。たとえば、イワシには生姜が香る甘醤油味、サバにはスパイスが香るカレー味といった具合に、魚の風味を活かしつつも、敬遠されがちな魚をお子様から大人まで幅広い方にお召し上がりいただきやすい味付けを心掛けています。

また、パッケージの裏に記載されている原材料の順番を見ていただくとわかるのですが、魚肉を多く含んでいるのが特徴であり、私たちおやつカンパニーのこだわりです。魚の旨みを引き出しつつ、DHAやEPAといった栄養素もしっかり残しています。

── 魚肉を多く使うのは珍しいですね。それでもおいしさを追求するのは、相当な技術が必要そうですね。

香川さん:はい、魚肉を多く使うことはかなり珍しいと思います。たとえば、サバのように風味が強い魚を使う際は、それをうまく活かしつつ、消費者に受け入れられる味に仕上げるのが難しいです。独特の風味を抑えようと思えば小麦粉を増やすこともできますが、そうすると商品のコンセプトが損なわれてしまいます。そこで、魚肉を原料の中で一番多く使用しながらおいしく食べていただける製品を作るために、味付けや製法に試行錯誤を重ねました。

── 「素材市場」を購入されているのは、どのような人が多いのですか?

香川さん:2021年8月の発売当初は、一般的に最も多くスナック菓子を購入される30〜40代のファミリー層がメインの購入者になると予想していました。しかし、予想に反し、最も多く購入していただいたのは、実は50代後半から60〜70代の方々でした。この世代の方々は、スナック菓子への馴染みが薄く、日常的にスナック菓子を購入する習慣がない方がほとんどです。しかし、実際にはこの世代の方々からの反応が非常によく、たくさんの方々に購入していただきました。

── 現在の購買層はいかがでしょうか?

香川さん:現在では、徐々に30〜40代のファミリー層にも広がっています。より多くの店頭で取り扱っていただけるようになり、パッケージを見て興味を持っていただくことが多いようです。

また、この層は、ポテトチップスなどのスナック菓子にも慣れ親しんでいるため、魚を使った新しいスナックという点でも関心を持っていただいています。とくに「これは子どもにいいのではないか」という思いから購入していただくことが増えていますね。

── 幅広い層の人に食べられているんですね。おやつ感覚で魚の栄養素を取れるのは、どの年代にも嬉しい魅力ですもんね。

香川さん:ありがとうございます。スナック菓子の「素材市場」が大人の方々にも受け入れられた要因の1つが、まさに魚が持つ栄養価だと思います。パッケージにも栄養素だけでなく、魚を強調するデザインを採用し、見た目でも健康的な印象を与えるように心がけています。

また、2024年3月からは、4つの個包装が連なった小分けタイプの商品も展開しています。お子様のおやつとして、食べ切りやすく、買い置きにも便利なサイズになっています。国立大学法人東京海洋大学の名誉博士/客員教授のさかなクンとのコラボレーションを通じて、魚食の大切さを広めるプロモーションも展開しています。

今後も幅広い世代に、「素材市場」をはじめ健康志向のスナックを広めていきたいと考えています。

EPA、DHA、カルシウムを含むおやつ

── 「素材市場」には魚の栄養素が含まれているとのことですが、具体的にどのような栄養素が含まれているのですか?

香川さん:一般的に青魚に多く含まれているとよく知られている栄養素のDHAやEPAを摂ることができます。さらに、DHAやEPAに加えて、カルシウム、ビタミンDも摂ることができます。カルシウムは子どもたちだけでなく、シニア世代にも大切な栄養素ですので、一般的にカルシウムを含む商品は幅広い年齢層のお客さまの関心が高いと思います。

また、カルシウムの吸収を促進する働きがあると言われているビタミンDも一緒に摂ることができます。

── 栄養バランスまでもしっかりと考えてくださっているのですね。

香川さん:「素材市場」は、DHAやEPA、カルシウム、ビタミンDなどの栄養素を含む栄養機能食品(カルシウム・ビタミンD)として提供しており、商品を通じて、食べてくださる方のすこやかで豊かな“おやつ生活”をサポートすることを目指しています。

── とくにどのような人におすすめでしょうか?

香川さん:現在、多く購入していただいているのはシニアの方々です。カルシウムやDHA、EPAが含まれており、骨や日々の健康が気になるシニア層にはとくにおすすめです。

また、「素材市場」シリーズは、管理栄養士さんに驚かれるほど塩分も控えめです。塩分を気にされる方の間食としてもおすすめいただいています。

── 管理栄養士さんが間食としてもおすすめしているというのは心強いですね。

香川さん:そうですね。さらに、小さなお子様がいるご家庭にもおすすめしたいです。「魚嫌いの子どもでも、このスナックなら食べてくれる」という声を多くいただいています。

大人も子どもも、健康的なおやつライフをたのしもう!

── ホームページでは「素材市場」のスナック菓子の楽しみ方が紹介されていましたね。

香川さん:「素材市場」のスナック菓子は、そのまま食べてもおいしいのですが、アレンジして食べるのもおすすめです。「素材市場」のブランドサイトにもいくつかレシピを紹介しており、さかなクンとのコラボ動画でさまざまなアレンジ方法を提案しています。

簡単なアレンジですと、「素材市場」をお味噌汁に入れると、つみれ汁のような風味になります。また、サラダにトッピングすることで、食感と風味が増し、おいしくいただけますよ。

さらに、アイスクリームにイワシのスナックを入れ、お醤油を少し垂らすというものがあり、これが意外とおいしくて、おすすめです。

── そのまま食べるだけでなく、料理に取り入れる方法もあるんですね。

香川さん:私自身もそのまま食べることが多いのですが、サラダやご飯に混ぜることもあります。また、お酒のお供、おつまみとして召し上がる方も多いですよ。とくに男性の方に人気があります。

── さまざまなシーンで楽しめるので、家族や友人との楽しい時間が増えそうですね。

香川さん:そうですね。栄養機能食品としての機能はもちろん大事ですが、楽しみながら摂取できることが重要だと考えていますので、私たちおやつカンパニーの商品は、おいしさ・楽しさを念頭に置いて開発しています。ベビースターやブタメンなどのロングセラー商品も同様で、だからこそ世代を超えて愛され続けているのだと思っています。

また、私たち社員は、自社商品の楽しみ方をあれこれ考えています。オフィス内にはいつでも手が届く場所にスナック菓子があり、ちょっと小腹が空いたときにすぐに楽しめるようになっています。同僚たちが自然と集まり、楽しい時間を過ごすための工夫の一つです。

おやつの時間が家族や友人とのコミュニケーションのきっかけになることを願っています。

── おやつの楽しみ方がさらに広がるお話を、どうもありがとうございました!

香川さん:今後とも、健康的で美味しいおやつを提供し続けていきますので、ぜひお楽しみください。

編集後記:
今回のお話を通じて、私たちのおやつ選びが大きく変わりつつあることを実感しました。「素材市場」シリーズのように、健康を意識したスナックがますます求められる時代です。香川さんが語っていた通り、味や食感を犠牲にせず、栄養素をプラスすることで、幅広い世代に支持されるおやつが生まれています。おやつの時間が健康とおいしさの両方を満たすひとときとなるように、皆さんもぜひ新しいおやつの選び方を楽しんでみてください。

投稿 身体にやさしいのに、なぜおいしい?魚の栄養素を含むおやつを展開するスナックメーカーに聞いた【おやつカンパニー】Wellulu に最初に表示されました。


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